今昔の方言意識

    
      

地方なまりは恥ずかしい?

             

 本学が京都にキャンパスを置いていることもあり、さまざまな都道府県出身の学友が本学に集っている。そのため、入学後にできた友人と方言の話で盛り上がったという人も多いのではないだろうか。今回は今の若者が方言をどのように考えているのか、ひと昔前と比較しながら考えてみたい。

      

 まず1997年に発行されたNHK文化研究所編『現代の県民気質―全国県民意識調査―』という本を参考に、今から約20年前の方言の意識を調べてみる。調査の中でそれぞれの土地の言葉について「好き」かどうか、「残してゆきたい」か、「地方なまりが出るのが恥ずかしい」かの三つの質問が行われた。

      

 東北地方の6県と島根、徳島、鹿児島では方言は好きで残していきたいが、恥ずかしいという人が他県に比べて多い。京都、大阪では「土地の言葉が好き」「土地の言葉を残してゆきたい」が平均よりもかなり高く、地方なまりが出ることを恥ずかしいと思っている人が少ない。これと対照的な結果となったのが、茨城、栃木、岐阜、和歌山であり、岡山もこのグループに近い。全国平均では「地方なまりは恥ずかしい」と答えた人は13%という結果になった。

      

 現在の方言意識についてはTwitterのアンケート機能を用いて調査を行った。地域、年齢など制限していないがSNSの機能ということで若者の意見が反映された結果であると考える。回答者95名のうち「自分の住んでいた(いる)地方のなまり、方言が出るのが恥ずかしい」と考える人は21%という結果となり、97年の調査を上回る結果となった。

      

 調査結果から依然として2割もの方言話者は方言が出ることを恥ずかしいと思っていることが判明した。背景には公の場においては標準語が求められること、方言話者が少数派であることなどが考えられる。テレビ番組などで方言が多く取り上げられ、方言に関心が向けられる一方で、肩身が狭い思いをしている話者がいるかもしれないということを考えなければいけない。

           
    

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