時事解説

    
      

北朝鮮・弾道ミサイル

             

 日本上空を北朝鮮の弾道ミサイル火星12型(KN-17)が2度、日本の上空を通過した。直接的な被害はなかったものの、多くの混乱が見られた。日本人はミサイルに対して恐れているにも関わらず、肝心なミサイルについての知識を持っていないことが多く見られる。そこでミサイルの中でも話題の弾道ミサイルについて、端的に説明することにした。

      

 最新の兵器は精密攻撃を主とするイメージを持つことが多いが、弾道ミサイルの精度は意外と大雑把で、ほとんどの弾道ミサイルは誘導を受けない慣性航法装置を搭載している。大まかな精度を示すCEP(平均誤差半径)と呼ばれるデータによれば、各国の中距離弾道ミサイルのCEPは300mほどで、誤差は大きい。

      

 弾道ミサイルに慣性航法装置が用いられる理由は二つある。一つは電波妨害などにより標的から着弾点を逸らされる可能性をなくすためだ。核戦争になるような事態になると精密機械が役立たずになる可能性もある。もう一つは核を搭載すれば数100mの誤差も関係ないため、精密性は求められないからだ。

      

 日本の全土を射程に収めている北朝鮮のノドン中距離弾道ミサイルの保有数は200~300だとされており、それを発射する装置は50基だとも言われている。さらに先ほど述べた精度の低さも加え、標的とされる可能性が高いのは経済的影響力の大きい大都市や北朝鮮と敵対する米軍基地などが予想される。

      

 国民保護サイレンを耳にしても過度に慌てず冷静になるべきだ。しかし、目的と違う場所に落下したり、ミサイルが日本上空で爆発事故を起こしたりする危険もある。自分の身を自分で守るため、屋外では頭を伏せる、近くの建物に避難するなど、あらかじめ政府が発表している対処法を正しく覚えておく必要がある。

           
    

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