[読書の時間]

~「星の王子さま」とサン=テクジュペリの世界~

 サン=テグジュペリを知っているだろうか。フランスの小説家である。「星の王子さま」の著者として知られる。パイロットでもあったテグジュペリはその経験を生かし、数々の作品を発表した。

 「星の王子さま」は彼の代表作であり、1943年の初版以来、世界200以上の国と地域の言語に翻訳されている大ベストセラーである。子供のころに読んだことがある人も多いのではないだろうか。簡単な概要を紹介する。

 飛行機のパイロットである主人公は、ある日サハラ砂漠に墜落し孤立する。1週間分の水しかないなかで、孤独の一晩を過ごす。翌朝起きると見知らぬ少年がいた。話すうちに、その少年は地球外の、小惑星の王子であると知る。王子は小さな自分の星を後にして、いくつもの星を巡ってから、7番目に来た星が地球だったのだ。そんな孤独な王子と、同じく孤独を抱えた主人公との交流を描く児童文学だ。74年と83年には映画化され、昨年には「リトルプリンス 星の王子さまと私」としてアニメ映画化もされた。

 そのほかの作品も、日本語に数多く翻訳されている。28年に発表されたデビュー作である「南方郵便機」や、フェミナ賞を受賞した「夜間飛行」、「戦う操縦士」などがある。これらは、現在新潮文庫から刊行されており、入手可能だ。

 サン=テグジュペリは名門貴族の子弟としてフランスの都市リヨンに生まれた。フランスの海軍兵学校への入試に不合格になった後、航空隊に徴兵されパイロットとなった。除隊後は民間の航空会社のパイロットとして多くの経験を積み、空を飛びながらも数多くの作品を発表した。第2次世界大戦が始まると、39年に再び招集され軍属になり、トゥールーズにて飛行教官を務めた。

 ところが、周囲の反対を押し切り戦争の前線への配属を希望し、44年コルシカ島を出撃した後、帰還することはなかった。ドイツ軍機に撃墜され、戦死したとされている。没後70年近く経った今でも彼の作品は世界中で読まれ、愛され続けている。

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