我聞如是〈が~も~んにょ~ぜ~〉

親の心子知らずということわざがある。子どもに対する親の愛情が、理解されず、勝手気ままに振る舞われることをいう。また、自分が親になってみなければ、親の気持ちが分からないという意味でもあるのだ。これは、目上と目下との関係においても使われる▼このことわざに当てはまることが起こっている。今年の2月、春節に合わせ多くの中国人観光客が「爆買い」をした。日本にとっての恩恵は大きく、多大な経済効果をもたらしていることに変わりはない。しかし、一方では中国にマイナスな効果を生んでいるのだ▼爆買いに対して、中国政府は当然受け入れがたい問題と捉えている。日本で物を買うということは国民が海外で買うということ、お金は海外に落とされるということだ。つまり、中国で流通していたお金を日本で使うということである。中国政府は堪ったものではない。中国政府を親、中国国民を子と例えるなら、まさに親の心子知らずである▼爆買いが生まれたのには三つの理由によるものと考える。一つ目は外国人旅行者向け消費税免税制度の改正。これにより、今までの家電機器、装飾品、衣類の他に食料品類、薬品類、化粧品類なども免税対象となった。二つ目に人民元に対する円安。三つ目は中国内において課される税金である。中国国民が日本から商品を輸入した場合、関税、増値税、消費税の三つの税金をかけられる。物によっては異なるが、高級品ともなると約50%も加算される。単純に考えれば、日本で買ったほうが安いに決まっているのだ▼この現象がいつまでも続くとは思っていない。子どもは成長過程において、反抗期を迎え大人になる。親の気持ちを理解するまでにはもう少しかかる気もするが。

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龍谷大学新聞社トップページ 過去記事一覧 第617号(2016年4月号)