親鸞聖人と比叡山
自力と他力の教え

  • 淺田正博氏

    講演中の淺田氏〔紙面掲載〕

 3月5日、「2015年度龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)文化講演会聖地に受け継がれし伝灯の行―修験、回峰行、そして親鸞聖人へ―」の第3回目となる講演会が「若き日の親鸞聖人―天台修験=回峰行の修行をとおして―」と題して本学響都ホール校友会館において開催された。本講演会では、本学名誉教授で、浄土真宗本願寺派勧学を務める淺田正博氏が招かれた。

 淺田氏は、1945年大阪府生まれ。本学大学院博士課程仏教学専攻に在学中より叡山学院講師を務めた。82年には日本印度学仏教学会賞を受賞した。97年、本学文学部教授に就任した。著書に「私の歩んだ仏の道」がある。天台学を専門としながらも浄土真宗の僧籍も持つ。

 本学と関係の深い浄土真宗の開祖である親鸞聖人は、京都の青蓮院にて出家した後、比叡山に入った。その修行に費やした期間は約20年にも及んだ。比叡山での経験は、浄土真宗の教義、親鸞聖人自身の考え方に影響を与えているとした。

 比叡山での修行の代表的なものに千日回峰行がある。これは1000日かけて比叡山にある三塔十六谷三千坊と言われるほど数多くのお堂を礼拝しつつ歩いて巡る修行である。この修行の途中、最も過酷な堂入りが行われる。これは、断食、断水、断眠、断臥を9日間するものである。修行者は痩せこけ、自力で歩くことすらままならない程になる。これらの行いは、自力の修行である。過酷な自力の修行を経ても親鸞聖人は悟ることができなかったため、29歳で比叡山を下山し、浄土宗の開祖法然の他力の教えを乞いたのだと淺田氏は主張した。

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