京都が舞台の小説
森見登美彦ワールドへ

  • 鴨川デルタ

    作中に登場する「鴨川デルタ」

 森見登美彦をご存じだろうか。小説家である。彼は京都を舞台に数多くの作品を発表してきた。彼とその作品の一部を紹介しよう。森見氏は、奈良県出身で京都大学卒の現在36歳だ。京大在学中に京都を舞台にした『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。『夜は短し歩けよ乙女』では山本周五郎賞を受賞すると共に、本屋大賞2位にランクインしたため聞いたこと、読んだことがある学友も多いのではないだろうか。森見氏の作品は京都を舞台にしたものが非常に多いのが特徴だ。

 『四畳半神話体系』も例によって京都が舞台だ。本書は四つの章から構成される。四つとも主人公は同一人物で、それぞれがパラレルワールドになっている。主人公は休学中の引きこもりの大学3回生でそれぞれの章で異なる選択をし、物語が進んで行き最終的にはどの章も同じ結末に行き着くところがこの作品の醍醐味だ。この作品の一番の見せ場は、主人公たちが鴨川デルタと呼ばれる加茂川と高野川の合流地点でバーベキューする人々を向けて打ち上げ花火で襲撃するところだろう。

 『ペンギンハイウェイ』は森見氏の作品では珍しく京都が舞台ではない。また、主人公も大学生ではなく小学生である。ある日、アオヤマ少年の住む海から遠く離れた街に、本来南極などの南半球の海辺に生息するはずのペンギンが突然現れる。その謎を解くべく好奇心旺盛なアオヤマ少年はウチダくん、ハマモトさんという魅力的なキャラクターと共に研究を始める。この作品はSF要素が強くになっている。

 以上の2作品を紹介したが、他にも数多くの話を書いている。森見氏の作品はどの話も、読みやすく、魅力的なキャラクターが数多く登場する。中でも『有頂天家族』と紹介した『四畳半神話大系』はアニメ化もされている。活字に対して抵抗のある学友はアニメから森見登美彦ワールドに入ってみるのはいかがだろうか。

ご案内

×印をクリックすると画面が閉じます。

シェア

龍谷大学新聞社トップページ 過去発行紙一覧 第616号(2015年12月号)