龍谷ミュージアム
特別展記念講演会

 10月17日、本学大宮学舎東黌101教室にて、龍谷ミュージアムで開かれる特別展「アンコール・ワットへのみち―ほとけたちと神々のほほえみ―」を記念して講演会が開催された。会場にはたくさんの来場者が訪れ、終始和やかな雰囲気で行われた。

 講師を務めたのは本学文学部教授で、龍谷ミュージアム前館長でもある入澤崇氏だ。今回の講演会では展示作品の魅力や、現在のカンボジアの領域を中心に強大な勢力を誇ったアンコール王朝について分かりやすく解説された。

 入澤氏は講演名を「仏教と海洋アジア」と題し東南アジアではなく、あえて海洋アジアという言葉を選んだ。これは近年の経済学者も使っている言葉で東南アジア近辺と海洋には密接な関係があるためだ。海のルートを用いて宗教文化を運び、中国やさまざまな地に伝えた代表的な仏僧を図表やパワーポイントを交えながら紹介した。また、日本でなじみのある民謡『金毘羅船々』について、金毘羅とはインドのガンジス川に住むワニを神格化したクンビーラを漢字で表したものだと説明した。歌の内容にもヒンドゥー文化が盛り込まれており、日本人の生活の隅々にヒンドゥー文化は確実に根を下ろしていると語った。

 講演会後には質疑応答の時間が設けられた。多くの仏像で手だけが残っていないのはなぜかという質問に対して「腕をたくさん表現することは、救済能力を示している。ただし、腕をたくさん表現する代わりに、それを維持することは難しい」と回答した。

 龍谷ミュージアムの特別展は12月20日まで開かれている。ぜひ会場へ足を運び神秘的な仏像や美術に触れ、宗教文化の多様性について学びを深めてほしい。

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