茶の湯の世界
今茶道を学ぶ理由

 10月28日、本学深草学舎顕真館にて龍谷大学宗教部公開講演会「茶の湯の世界」が開催された。本講演会は、古儀茶道藪内流宗家家元14代藪内紹智氏を迎えて行われた。今回の講演会は、日本が時間をかけて培ってきたそれぞれの文化が茶道の中で使用されており、茶道を学び、日本の文化を学ぶということの重要性に重きを置いて進められた。お茶はツバキ科の植物で緑茶、ウーロン茶、紅茶全て同じ茶の木から採れる。歴史的に見てもアメリカ独立戦争「ボストン茶会事件」やアヘン戦争などでお茶が政治的に重要な役割を果たしている。

 日本の歴史の中でお茶の役割を見てみると、奈良時代に初めて茶の文字が現れ、それ以降お茶は権力、財力の誇示のために使われてきたという側面が大きい。室町時代中期に村田珠光が侘び茶を創始し、初めて茶のもてなしの中に和物を取り入れた。その後、千利休が茶の湯の改正統一を行い、「利休形」と呼ばれる型を完成させた。そして友好関係にある相手にお茶を送り、自分の力を誇示するために使われた。織田信長や豊臣秀吉の時代は茶の湯が最も社会に影響を与えたといわれている。

 歴史を振り返るとお茶が政治的にも文化的にも重要な役割を果たしていることがわかる。そして現代の日本では食事が多国籍化し、和食がユネスコ無形文化遺産登録され絶滅の危機に瀕していることや住宅における和室の軽視などを問題点として挙げ、今こそ伝統文化を学ぶ時だと訴えた。そして茶道は日本が培ってきたさまざまな文化が使用されており、茶道を学ぶことによって日本の文化をさまざまな視点から学ぶことができ、それが文化の理解につながると締めくくった。

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