鴨川で床開き
多様な料理を川床で

  • 四条大橋からの鴨川

    四条大橋からの鴨川納涼床

 今年も「鴨川納涼床」が5月1日から始まった。盆地特有の湿度が高く蒸し暑い気候の中、川風に涼みながら食事を楽しむことができる。二条から五条の鴨川沿いを約90店が並び、京料理はもちろん、中華や焼き肉などさまざまな料理のほか、最近ではカフェやバーも出店されている。

 納涼床とは、京都の夏の風物詩である「川床」の呼び方の一つだ。川床は主に貴船、高雄、鴨川が有名であるが、呼び方が異なる。貴船、高雄では、「京の奥座敷」と言われることから「床の間(とこのま)」の意味を持ち合わせ、「かわどこ」と呼ばれ、鴨川では「高床(たかゆか)」が設けられることから「かわゆか」と呼ばれる。それに加え、鴨川の川床は「鴨川納涼床」とも呼ばれる。

 その歴史は古く、江戸時代に豊臣秀吉が三条大橋から五条大橋の架け替えを行った後、鴨川の河原が見世物や物売りでにぎわうようになり、裕福な商人が見物席を設けたことが始まりだと言われている。昔の鴨川は今よりも川幅が広くいくつもの砂州(さす)ができていた。その間を何本かに枝分かれした川が流れており、砂州や浅瀬の上に床机が並べられているのが主流であった。明治時代になると高床形式の床が造られ、川の両岸に床が出ている状態となる。その後、大正時代の京阪電車の延伸や治水工事、昭和9(1934)年の台風の被害による改修工事などを経て現在のような姿となった。

 長い歴史の中でその姿を変えながら守られてきた伝統ある納涼床。期間は9月末までで、6月から8月の「本床」では夜のみ、5月中の「皐月の床」、9月中の「あと涼みの床」では夜に加えて昼にも出される。このお昼の床では夜に比べ、手頃な値段となっているため、気軽に楽しむことができる。まだ訪れたことのない方にお勧めだ。

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