国際シンポジウム開催
農学に求めるもの

 5月31日、「龍谷大学農学部開設記念国際シンポジウム 新しい農学の可能性」が龍谷大学響都ホール校友会館にて開催された。本シンポジウムでは、海外より3名の講演者が招かれた。会場は聴衆で満員になる盛況ぶりであった。

 最初に講演を行ったのは、カナダから招かれたカール・ダグラス博士だ。ダグラス博士はワシントン大学で学位を取得し、ドイツでは植物育種学を学んだ。植物が細胞壁成分を合成する仕組みの研究と、ポプラを用いたバイオエネルギーの開発研究の第一人者である。ダグラス博士は今回「植物バイオマス研究はグローバルなエネルギー問題を解決できるか?」と題して講演を行った。その中でダグラス博士は、化石燃料に代わるバイオエネルギーの可能性について語った。だが、バイオエネルギー用の植物栽培と従来の食糧生産すなわち農業としての植物栽培の両立の問題がある、とも主張した。

 次に講演を行ったのは、米国の食品科学ライターであるハロルド・マギー博士だ。調理の科学に関する著作があるマギー博士は今回「キッチンの科学―これまでの長い歴史と最近の再発見―」と題して講演を行った。その中でマギー博士は、「従来の食品科学はキッチンと距離があった」とし、科学と料理の融合を説いた。

 最後に講演を行ったのは、英国の文化人類学者ヨハン・ポティエ博士だ。ポティエ博士はアフリカ諸国の食糧安全保障の社会力学を研究している。ポティエ博士は「人類学というレンズを通してみる食糧と農業―グローバルな結びつきとローカルな結果―」と題した講演を行った。その中でポティエ博士は食糧と国際問題という視点で農学の将来について語った。

 本学の農学部開設記念として催された今回のシンポジウム。米国、英国、カナダより招かれた3名の講演者はそれぞれ違った切り口から新しい「農学」の可能性について語った。

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