シルクロードと仏教
歴史から学ぶ平和

2月28日、RECコミュニティカレッジ特別講演会「シルクロードと仏教」が龍谷大学響都ホール校友会館にて開催された。本講演会の講師は龍谷ミュージアム館長の入澤崇氏が務めた。

現在、シルクロードという地域では危険な出来事が数多く起こっており、異なる民族、価値観を持った人が現れることによって、紛争が生まれるが、古代にはその愚かさに気付いた人もいた。入澤氏は今こそ歴史に学ぶべきと主張し、シルクロードの在り様、そこで生きた人々がどのように争いを乗り越え、平和の実現を果たしたのかを説明した。

シルクロードでは1世紀から3世紀ごろに仏教のグローバル化がおこり、東は日本、西はトルクメニスタンにまで広まっている。入澤氏は仏教の影響を最も受けた人物に紀元前3世紀のインドの王、アショーカを挙げた。彼はブッダの教えによって戦争の愚かさに気付き武力による統治は不可能と確信し、法による統治を行った人物だ。この行いから異なる宗教、文化を積極的に保護する傾向が見られたという。

また、1世紀から3世紀にはガンダーラ地方で仏像が生まれ、この地方では異民族がひしめき合っていたこともあり、仏像一体を取り上げてもギリシャ、ローマといった西洋的要素や、イラン、イラクなどの西アジア的な要素がある。このようなことから仏教というものに異質なものを包み込む利他の精神が生まれ、その精神はシルクロード一帯に広まっていった。

シルクロード地帯の人々は命あるもののために命をかけることを仏教から学んだ。その背後には多くの人々が紛争で犠牲となった。しかし、その紛争の愚かさに気付いた人がいたからこそ、多くの仏像が作り出されたのだと、入澤氏は最後に主張した。

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