我聞如是
~大谷探検隊~

10月18日に本学の各学舎で報恩講が勤められた。本願寺では親鸞聖人の祥月命日である1月16日に行うが、本学では、本学の前身である「学林」の創設者、本願寺第13代良如上人の祥月命日に合わせて行う。そのため本学の報恩講では良如上人の御祥月命日法要と、本学に縁のある人物の永代経法要を勤める。本学の370年に及ぶ長い歴史を紡いできた先達を思いつつ、経をあげた▼法要の最中、思い浮かべていた人々がいる。約100年前の「先輩」たち、時の本願寺宗主であった大谷光瑞の命を受け、世界を股にかけて活躍した大谷探検隊の隊員たちである▼当時、中央アジアは未開の地とされ、大英帝国を始めとする列強の国々がこぞってこの地に探検隊を派遣していた。その中で日本から現地に赴いたのが大谷探検隊であった。彼らは仏教徒の手で仏教伝来の道筋を調査すべく中央アジアやインドを調査し、やがてその活動範囲は世界中に広まっていった。1914年に隊員の吉川小一郎が帰国して以降事業は再開されず、今年はそれからちょうど100年である▼隊員の中には、本学の前身に当たる教育機関の出身者が非常に多い。さらに我々と年齢の変わらない若者が活躍した。現在のように旅客機はないし、交通網が完備されてもいない。時には砂漠を渡るような過酷な行程もあった。その道のりは想像を絶する厳しさだ▼「前に生れむ者は後を導き、後に生れむ者は前を訪へ、連続無窮にして、願はくは休止せざらしめむと欲す」。親鸞聖人が自身の著『顕浄土真実教行証文類(教行信証)』の末尾に、道綽禅師著『安楽集』から引用した一文である。本学には、大谷探検隊を始めとする偉大な先達がたくさんいる。「後に生れむ者」として、そのような人々を顧みて、見習う姿勢は大切だ。そして同時に「前に生れむ者」として、どんな些細な事でもいい、これから本学で学ぶことになる後輩の手本となるような業績を残す学友が現れることを願う。

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