宇治川の鵜飼
匠と鵜がおりなす華麗な技

  • 鵜飼いの様子

    宇治川の鵜飼

  • 鵜飼いの様子

    宇治川の鵜飼〔紙面掲載〕

 鵜飼とは、風折烏帽子に腰蓑の古式ゆかしい装いで手綱を引き、鵜匠が数羽の鵜を操り、かがり火に集まってくる鮎などの川魚を捕獲する伝統漁法である。そんな鵜飼が京都では現在、嵐山と宇治川で見ることができる。今回は、この鵜飼について宇治川に焦点を絞って紹介したい。

 鵜飼は『日本書紀』にも記述があるほど長い歴史を持つ。宇治川の鵜飼は、藤原道綱母の『蜻蛉日記』にもその様子が記されてあるように、平安時代には既に行われていたことが分かる。当時は、氷魚を捕る網代とともに盛んに行われていたようだが、平安時代後期になると仏教の教えの影響を受け、次第に殺生が戒められるようになり、平安貴族の衰微とともに宇治川の鵜飼も衰退していった。現在の鵜飼は大正15年に再興され、夏の風物詩となっている。

 次に鵜について説明しよう。鵜はウミウという渡り鳥で、喉元が伸縮する袋のようになっている。ペリカンの仲間で、喉元にたくさんの魚を溜めておくことができる。そこで首の付け根の部分を紐でくくり漁をするのである。この紐がきつすぎても緩すぎても上手く漁をすることができないので、紐のくくり加減が鵜匠の技術の一つとも言える。鵜は鮎以外の魚も捕まえる。例えば、フナ、ブラックバス、ブルーギルなどがある。しかし、鵜は一つだけ苦手とする魚がいる。それは、ウナギである。ウナギの語源由来の一つに「うなんぎ」「むなぎ」「うなぎ」と鵜が呑み込むのに難儀するという俗説がある程だ。

 鵜匠と鵜の絶妙な技と、川面に吹くさわやかな風が、まるで古人になったように錯覚させてくれる。宇治川では、鵜飼いを見るための観覧船などが出ていて、間近で鵜匠の鮮やかな匠の技を見ることができる。ぜひ一度、この昔ながらの伝統漁法を見に行ってほしい。

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