我聞如是〈が~も~んにょ~ぜ~〉

巨人の王貞治選手が世界新記録となる756号のホームランを達成したのも、リニアモーターカーが世界初の浮上走行に成功したのも、1977年のことである。新時代の到来を予感させたこれらの出来事だが、浄土真宗本願寺派にとっても、この年は一つの転換点であった▼去る6月6日、法統継承式が厳かに執り行われ、大谷光真第24代門主が、大谷光淳第25代門主に門主職を継承した。今回は37年ぶりの交代となり、当日は新門主の姿を一目見ようと、遠近問わず多くの門信徒が駆け付けた▼法統継承式とは、浄土真宗の法義および伝統を継承する儀式であり、浄土真宗本願寺派の総本山である龍谷山本願寺の御影堂で行われた。その伝統は、親鸞聖人が浄土真宗の根本聖典である『顕浄土真実教行証文類』を編纂して以来、790年間に渡る▼光真前門主は1977年に門主の職に就任して以来、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、そして東日本大震災に接しながらも宗門の教えを説き続けてきた。そんな中、昨年の4月に門主職からの退任を表明していた▼光淳新門主は、光真前門主の長男にあたる。法政大学を卒業した後、本学の大学院で勉学に励み、講師も勤めていた。30代後半という年齢ではあるが、光真前門主が31歳で門主職を継いだことを考慮すると、決して若すぎることはない。光淳新門主は法統継承式において。「現代の苦悩をともに背負い、御同朋の社会をめざして歩んで参りたい」と決意を述べた▼現在、王貞治以降多くの国民栄誉賞受賞者が生まれ、リニアモーターカーの営業運転も夢の話ではなくなってきている。37年後の日本は、浄土真宗の教章に書かれるような、「自他ともに心豊かに生きることのできる社会」となっているのだろうか。また、先日、西本願寺の御影堂と阿弥陀堂が国宝に指定されることが報じられ、この面からも、いっそうの注目を浴びることは必至である。光淳新門主の一挙手一投足に注視していきたい。

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龍谷大学新聞社トップページ 過去記事一覧 第608号(2014年6月号)