国際学部記念講座
ベルギーの漫画文化 ~杉本氏が語る漫画とは~

 5月24日に、龍谷講座シリーズ国際学部開講記念講座の「国境を超える文化」が深草学舎において開かれた。第1回目は「ベルギーの漫画の日本人ヒロインについて」というテーマで行われ、国際文化学部の講師である杉本ジェシカ氏が講義を担当した。

 杉本氏は5歳の頃からベルギーやフランスを中心に読まれる漫画雑誌である『The Francophone Bande Dessinée』(以下BD)に掲載されている『タンタン』シリーズを読み続け、漫画に慣れ親しんできた。ベルギーでは、日本と違いインターネットの影響で漫画雑誌が廃れ、減少の一途をたどっている。『BD』はこの流れを生き抜き、現在も出版している。

 講義では、最初に漫画によって描写される人種差別や、漫画が戦争のプロパガンダとして利用されてきたことが説明された。ヨーロッパでは90年代になると日本の漫画ブームが到来し、その後日本のアニメなどが流行した。その一方で、日本の漫画が現地の漫画を脅かすことが懸念され、日本の漫画に対して批判的な漫画も描かれた。また、『BD』には日本人がヒロインの漫画があり、その中から今回二つ紹介された。一つ目は『ヨーコ・ツノ』という漫画であり、エンジニアで武道家のヨーコが描かれ日本の女優である谷洋子はモデルとされている。二つ目は『ナホミ』という漫画で、ヒロインであるナホミはお姫様のような雰囲気を持つ女性として描かれている。

 杉本氏は「女性の活動の多様性を求めるためにも、女性を漫画の登場人物として出すべきだ」と語る。また、「女性が社会で活躍する現在だからこそ、女性が男性から漫画によって『描かれる』から、漫画を自らが『描く』世界になるべきだ」とも主張した。

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