京滋史跡めぐり
時に思いをはせて

  • JR奈良線 稲荷駅 ランプ小屋

    JR稲荷駅に隣接するランプ小屋

 新年度となり、出会いの季節がきた。新たな学友や学問、サークルなど回生を問わずさまざまな出会いが待ち受けている季節である。そうした出会いの中に、歴史を取り入れてみてはいかがだろうか。本学の周辺には色々な史跡があり、その一つ一つはどれも興味深いものばかりだ。今回はそれら史跡の中から三つを紹介したい。ぜひとも、新たな興味との出会いのきっかけにして頂きたい。

 一か所目は深草学舎から徒歩5分、JR稲荷駅の構内にある通称「ランプ小屋」だ。明治12年に建造されたこのレンガ小屋は旧国鉄系の建造物としては最古で、準鉄道記念物に指定されている。本来は小屋の北側にも同様の建物があったそうだが、その頑丈な作りは今も健在だ。内部には当時使われていたランプや運賃表などが陳列されており、当時の生活の一部を感じることができる。稲荷駅に申し込めば無料で見学が可能なので、機会があればぜひ中を覗いてみてほしい。

 二か所目は本学瀬田学舎の最寄り駅、JR瀬田駅から徒歩30分程のところにある瀬田唐橋だ。一見すると擬宝珠飾りが目を引くだけのコンクリート製の橋だが、歴史は深く、日本書紀にもその名は登場する。日本三名橋としても名高いこの長橋は京の都の喉元に位置することから、軍事、交通の要衝として重視され、その重要さは「唐橋を制するものは天下を制する」と言わしめたほどだった。そのため、壬申の乱をはじめとする、さまざまな戦乱の舞台となった。1979年に新しく架け替えられコンクリート製となった今でも、デザインは木造だった以前の姿をとどめ、古風で情緒深い景観となっている。付近には公園もあり、古代に思いをはせながら散策するのも一興だろう。

 最後に紹介するのは、滋賀県大津市坂本に多数存在する石垣だ。安土桃山時代に活躍した石工集団「穴太衆(あのうしゅう)」の手によるとされる石垣が多数残されている。当時、日本屈指の石積み技術を持っており、その腕の良さから「安土城の石垣は穴太衆が組んだ」と風説が立つほどの技巧の跡は一見に値する。キャンパスからは少し離れているが、石垣の溶け込んだ町並みを、暇な時にふらりと訪れてみるのも良いだろう。

 本学は歴史が長く、大学内には多くの魅力的なものがある。しかし、大学内だけでなく周辺にも少し目を向ければ、これらの興味のもとがそこかしこにあふれている。これからの一年、ぜひそれらに触れて、より充実した一年を過ごしてみてはいかがだろうか。

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