行楽シーズン到来
PM2.5に注意を

 早いものでもう4月、今年も3か月が過ぎ去った。厳しい冬の寒さも影をひそめ、暖かい日差しが春の訪れを感じさせる。桜の開花とともに行楽シーズンが到来し、外出する機会が増えるのだが、心配なのがPM2.5の存在だ。健康への不安もあってか、マスクや空気清浄機の売り上げが増加しているという。今年の春は落ち着いて花見をすることができるのだろうか。

 PM2.5は大気汚染が進む中国都市部から日本への飛来が指摘され、急速に知名度を上げた。空気中に漂う粒子の内、粒径が2.5マイクロメートル以下のものの総称で、微小粒子状物質とも呼ばれる。

 発生源は、ボイラーや焼却炉などばい煙を排出する施設や自動車の排出ガスなどだ。さらに人工物だけでなく、火山といった自然からも発生している。勘違いしてはいけないところであるが、PM2.5はもともと日本国内でも観測されており、中国が全ての原因というわけではない。

 非常に小さな粒子であるため、肺の奥まで到達しやすく、肺ガンやぜんそくなどを引き起こす恐れがある。しかし、粒子が細かいため、市販の花粉症対策マスクでは侵入を防ぐことが難しく、工業用の防塵マスクでなければ効果は期待できない。現時点での最善策は極力無駄な外出を控えることだ。

 2月27日に環境省は注意を喚起するために暫定的な指針を示した。大気1立方メートル当たりのPM2.5が、一日を平均して70マイクログラムを超える場合、注意を呼びかけるというものだ。だが、この基準を超えたからと言って、健康な人なら直ちに人体に影響があるわけではない。しかし、これから偏西風によってPM2.5が黄砂と共に大陸から更に飛来することが予想される。注意するに越したことはない。もし指針の値を超えるようなことがあった場合は、洗濯物を外に干さない、屋外で激しい運動をしないといった対策を講じるのが良いだろう。

 さらにPM2.5が日本にやってくる時期と、スギやヒノキの花粉が国内で猛威を振るう時期が重なっているのが恐ろしい。花粉とPM2.5が接触すると化学反応を起こしてさらに細かい粒子に変化し、アレルギー症状を重症化させるというのだ。外出時のマスク着用など、花粉症の人は例年より一層厳重な対策をすることが重要だ。花粉、黄砂、PM2.5の三重苦はしばらく続くことになるだろう。しっかり危機感を持ち、常に情報を確認し、体調に気を付けて春を楽しんでほしい。

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